JavaScript使用の設定をオン(ブロック解除)していただければ、より快適に当サイトを利用いただけます。

快適職場指針

疲労やストレスが少ない、働きやすい職場づくり

中川 潔(安全安心株式会社)

労働安全衛生コンサルタントとして、業界問わず安全で快適な職場づくりをサポート。
安全衛生診断、現場指導や安全教育などを行い、企業の安全衛生レベル向上に努める。

多くの人にとっての快適さをめざしながら個人差にも配慮

職場は、働く人々にとって生活時間の多くを過ごす場所。疲労やストレスを感じることの少ない快適な環境を整えることが重要です。
労働安全衛生法(第71条の2、3)では、快適な職場づくりが事業者の努力義務とされ、「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」(快適職場指針)が厚生労働大臣から公表されています。
同指針では次の4つの視点から措置を講じることが望ましいとされています。

1.作業環境の管理
不快と感じることがないよう、空気の汚れや温度等の作業環境を適切に維持管理する
  1. ① 空気環境
  2. ② 温熱条件
  3. ③ 視環境
  4. ④ 音環境
  5. ⑤ 作業空間等
2.作業方法の改善
心身の負担を軽減するため、相当の筋力を必要とする作業等について、作業方法を改善する
  1. ① 不良姿勢作業
  2. ② 重筋作業
  3. ③ 高温作業等
  4. ④ 緊張作業等
  5. ⑤ 機械操作等
3.疲労回復支援施設の整備
疲労やストレスを効果的に癒すことのできる休憩室等を設置・整備する
  1. ① 休憩室等
  2. ② シャワー室等の洗身施設
  3. ③ 相談室等
  4. ④ 環境整備
4.職場生活支援施設の確保
職場生活で必要となる施設等を清潔で使いやすい状態にしておく
  1. ① 洗面所・トイレ・更衣室等
  2. ② 食堂等
  3. ③ 給湯設備・談話室等

ただし、快適と感じるかどうかには個人差があり、「多くの人にとっての快適さをめざすこと」を基本に、個人差への配慮も大切です。
また、快適化の第一歩は作業環境等のハード面の改善を行い、不快な要因を取り除くことですが、それだけでは十分ではありません。労働時間、安全衛生管理の水準、職場の人間関係、働きがいなども、人が快適さを感じるための重要な要因となりますので、次の点にも留意しましょう。

  1. ❶ 継続的かつ計画的な取り組み
    • 快適職場推進担当者の選任等、体制の整備をする。
    • 快適な職場環境の形成を図るための機械設備等の性能や機能の確保についてのマニュアルを整備する。
    • 作業内容の変更、年齢構成の変化、技術の進展等に対応した見直しを実施する。
  2. ❷ 労働者の意見の反映
    • 作業者の意見を反映する場を確保する。
  3. ❸ 個人差への配慮
    • 温度、照明等、職場の環境条件について年齢等、個人差へ配慮する。
  4. ❹ リラックスできる環境づくり
    • 作業者がリラックスして過ごせる、居心地のよい環境をつくり出す。

快適な職場環境は、従業員の疲労やストレスを緩和するだけでなく、やる気や生産性の向上も期待できます。会社の利益につながると考えて積極的に取り組みましょう。また、従業員の意見を取り入れた職場づくりをめざし、従業員が自由に発言できる雰囲気づくりにも努めましょう。