治療しながら働ける環境づくり

疾病をかかえる従業員に対し就業上の措置や治療に対する配慮を

近年、医療の進歩や労働人口の高齢化を背景に、治療と仕事の両立支援が注目されています。治療しながら働きたいという人が主治医から職場復帰可能と判断された場合、安心して働ける職場環境の整備が必要となります。
両立支援のための対策、活用可能な制度・支援機関についてご紹介します。従業員が治療を続けながら働ける職場づくりに取り組みましょう。

両立支援のための環境整備

❶基本方針の表明と従業員への周知

「治療と仕事の両立支援」基本方針や具体的な対応方法等の事業場内ルールを作成し、すべての従業員に周知することで、両立支援の必要性や意義を共有し、治療と仕事の両立を実現しやすい職場風土を醸成しましょう。

❷研修などによる両立支援の意識啓発

当事者やその同僚となり得るすべての従業員、管理職に対し、病気や両立支援に関する知識を普及・啓発する教育を行いましょう。

❸相談窓口の明確化

従業員が安心して相談等ができるように、相談窓口担当者を任命し、周知しましょう。

❹両立支援に関する制度の検討・導入

柔軟な働き方を可能とする勤務・休暇制度※などを、事業場の実情に応じて検討・導入しましょう。そのためには、当事者を中心に、人事労務担当者、上司・同僚等、産業医や保健師、看護師等の産業保健スタッフ、主治医等が、本人の同意を得たうえで支援のために必要な情報を共有し、連携することが重要です。
※時差出勤／時間単位の有給休暇取得制度／テレワークなど

利用できる支援制度や支援機関

仕事と治療の両立をサポートするために、国や自治体が、さまざまな支援制度を提供し、また、支援機関などを設置しています。下表は従業員が利用できる支援制度の一例です。
さらに、全都道府県に「産業保健総合支援センター」があり、事業者等への啓発セミナーなど、幅広い支援を行っていますので、ご活用ください。

その他の支援制度や支援機関、それらの詳細については厚生労働省「治療と仕事の両立支援ナビ」をご確認ください。

両立支援に取り組むことで、従業員が安心して働くことができ、離職率が減少するなど、人手不足の解消にもつながります。