中川 潔(安全安心株式会社)
労働安全衛生コンサルタントとして、業界問わず安全で快適な職場づくりをサポート。
安全衛生診断、現場指導や安全教育などを行い、企業の安全衛生レベル向上に努める。
足場作業の事故を防止
労働安全衛生コンサルタントとして、業界問わず安全で快適な職場づくりをサポート。
安全衛生診断、現場指導や安全教育などを行い、企業の安全衛生レベル向上に努める。
高所における足場を用いた作業では、作業者の墜落事故や、足場からの落下物による事故が多発しています。足場の種類には枠組み足場(足場専用の機材を組み立てたもの)、単管足場(単管と呼ばれる鉄パイプを連結して組み立てたもの)、ローリングタワー(キャスターを付けるなど移動ができるもの)、脚立足場(複数の脚立に足場板を付けたもの)などがありますが、いずれにおいても共通した事故防止対策が必要です。
足場からの墜落事故は、組立時や解体時に多く発生しています。組立時は、手すりなどの取り付け前に、墜落制止用器具(安全帯)を使用しなければなりません。また、足場完成後も、取り付け部の緩みや手すりの脱落が発生することがあり、労働安全衛生規則では、事業者が足場点検者を選任し、作業開始前に点検を行わせることが義務付けられています。
足場の組立作業(組立、解体、変更)などを行う作業者には、法令で定められたカリキュラムによる特別教育の受講も義務付けられています。事業主または経験者が社内で実施するか、外部の講習機関で受講させましょう。なお、脚立足場のように簡単な足場や、低い足場であっても特別教育が必要ですので、ご注意ください。
また、高さ5m以上の足場や吊り足場の作業については、足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者のなかから足場作業主任者を選任して、作業の指示および監督をさせなければなりません。
足場から資材が落下し、作業者や通行人が被災するケースもあります。そのため、幅木やメッシュシート、防護棚(通称/朝顔)を取り付ける、足場の下を通行禁止にするなどの対策を行ってください。
足場の解体作業では、足場資材や緊結器具を地上に投げ落とす作業を見かけることがあります。しかし、労働安全衛生規則では、高さ3m以上から投げ落とすことは危険がともなうため、禁止されています。資材等を降ろす場合は、ロープで結束してゆっくりと降ろす、あるいは袋に入れて滑車を使うなど、安全な方法で行ってください。また、万が一、資材等が落下した場合に備えて、周辺の立入禁止などの措置を取るようにしましょう。
足場からの墜落や資材の落下は、作業者や通行人の命にかかわります。足場点検者による事前点検や、危険がある場所での安全帯の使用、資材の落下防止策を徹底しましょう。