災害発生状況の分析 vol.3~令和4年度 日本フルハップ災害防止統計資料より~
日本フルハップは、仕事に従事しているときのケガだけでなく、交通事故を含め生活全般のケガを補償対象としています。この度、令和4年度のケガの発生状況等についてまとめました。
皆様のケガの防止にお役立ていただければ幸いです。
日本フルハップは、仕事に従事しているときのケガだけでなく、交通事故を含め生活全般のケガを補償対象としています。この度、令和4年度のケガの発生状況等についてまとめました。
皆様のケガの防止にお役立ていただければ幸いです。
令和5年10月に掲示しました「男女災害発生率図1」では、女性の災害発生率が男性に比べて1.17ポイント高くなっていることを解説しました。
今回は、なぜ女性の方が多いのか、また、どのようなグループに多いのかについて「令和4年度 災害発生状況」に基づいて分析していきます。
※10代は補償件数が少ないため除いています。
男女別・年代別災害発生率では、50代を境に男性の災害発生率に対して、女性の災害発生率が逆転しています。
50代以降、男性の災害発生率の上昇が1.94ポイント(※1)であるのに対して女性の災害発生率の上昇は3.12ポイント(※2)であり、その差異は約1.6倍となるなど、女性の災害発生率は50代以降に急上昇し、80代以上では8.85%に達します。
※1 男性:6.59%(80代~)-4.65%(50代) = 1.94%
※2 女性:8.85%(80代~)-5.73%(50代) = 3.12%
厚生労働省「職場のあんぜんサイト」によると、加齢にともない、身体強度だけでなく平衡性、敏捷性、視認性などの運動機能も衰えることで、つまずきや転倒の原因となることが指摘されています。(※3)
また、閉経期を迎えた女性は、骨の代謝に必要な女性ホルモン(エストロゲン)が激減することで骨量が急速に減少し、骨粗しょう症の発症リスクが高まるとされています。(※4)
したがって、50代以上の女性は骨粗しょう症になりやすく、つまずきや転倒によるわずかな外傷でも骨折等の大きなケガにつながりやすいため、災害発生率が高まると考えられます。
※3 出典:厚生労働省 職場のあんぜんサイト 「加齢と転倒災害」
※4 出典:厚生労働省 e-ヘルスネット 「骨粗鬆症」
女性の加入資格別の災害発生率では、年齢が上がっていくにつれ、高い数値を示しています。
特に個人事業主において、50代の女性災害発生率は11.39%(平均 5.73%)、60代は10.21%(平均 6.09%)、70代は12.15%(平均 7.69%)、80代以上は12.50%(平均 8.85%)であるなど、他の加入資格(※5)に対し、特に高い数値を示しています。
※5 役員(代表者)・役員・家族従業者・一般従業者
前回の災害発生状況の分析vol.2にあるように、従業員規模が小さいほど災害発生率は高くなるため、従業員規模の小さい個人事業主はもちろん、法人の中でも小規模企業の経営者は、災害発生率が高い傾向にあると考えられます。
また、2018年版「小規模企業白書」では、小規模企業の経営者は労働時間が長く(平均9時間26分/日)、休日数も短く(平均1.17日/週)なっていると報告されています。(※6)
したがって、個人事業主や小規模企業の経営者は従業者よりも疲労が回復しづらいため災害発生率が高まると考えられます。
※7 出典:日本老年医学会雑誌「日本人筋肉量の加齢による特徴」2010年47巻1号,p.52-57
そこで、業務効率化に役立つツールの一例を紹介いたします。
業務効率化を図るうえで、経営者の多くは「財務・会計(記帳)」などの間接業務を削減したいという意欲が高く、その解決策の一つとしてクラウド会計ソフト(※9)の活用が有効と考えられます。
クラウド会計ソフトを導入した事業者の78.8%が「経理・会計業務にかかる業務時間の削減」の効果を得られたと回答(※10)しており、紙で計算等をしている事業者と比べて経常利益額が増加傾向にある割合が高いようです。(※9,10)
※8 出典:中小企業庁 「2018年版 小規模企業白書」 第2部第1章第1節3「小規模事業者の人手不足感」
※10 出典:中小企業庁 「2018年版 小規模企業白書」 第2部第2章第3節「財務・会計業務におけるITの導入状況と効果」